不意討ちかよ……やられた…。
完敗だ。
「大丈夫か、美亜?」
平然を装って聞いたけど、大丈夫じゃないのは俺。
今だって抱きついてきている美亜に俺のドキドキが聞こえてないか心配だ。
まったく、天然ってこえー。
「だっ…大丈夫…」
美亜?
「……っっ!」
心配になって顔を覗くと、美亜の顔が真っ赤になっていた。
その顔はやばいって。
顔真っ赤になってるくせして、俺にギュッと強く抱きついている美亜。
そんなことされて俺、どうすればいいんだよ。
あー!
くっそ!
美亜が俺の事好きだったらな…。
俺はどんどん美亜を好きになっていくのに…。
いや、我慢が多少効くから今回ばかりは好きじゃなくて良かったかもな…。

