「碧!みてみて!ジンベイザメいるよっ!」
急に走り出した美亜。
俺の腕を引っ張って人混みを掻き分けて進もうとする。
が、さっきも進めてなかったのに急に進めるようになるわけもなく…
「うう…進めなーい!」
人に埋もれてモゴモゴしている。
…可愛い。
可愛すぎる。
もう、黙れよ俺の心臓…。
「あおぉ~!!!」
俺に助けを求めてくる。
その涙目はやばい。
…俺、いつか美亜に殺される…。
「ちょっと、こっちに来て」
俺が手招きすると頑張って抜け出してくる。
そして、勢い余って…
「きゃっ!」
「うぉっ!」
俺に抱きついてきた。

