「碧、楽しくなかった…?」
ん?
今さっき、美亜とこれて良かったって言ったのにどうしたんだ?
それに心なしか美亜の顔が曇ってるように見える。
「楽しいよ」
「嘘だよっ!だってさっきから碧、私の事見てくれないもん!」
「それは…」
「それは?」
これは、わざとなのか?
それとも、天然?
俺が美亜といて楽しくないことなんてこれまで一度もなかった。
どんな瞬間だって美亜がいてくれるだけで、人生で一番になっちゃうような奴なのに。
「美亜が可愛すぎて直視できねーの」
はぁ…。
俺ってカッコ悪。
「美亜?」
美亜が俺の方を向かなくなって心配で覗き込むと顔を真っ赤にしていた。
そんなことされたら期待しちゃうよ、俺。
「はやく俺の事好きになれよ」
おれの呟きが聞こえたのか聞こえなかったのか。
美亜の顔がますます赤みを増したように見える。
美亜も俺から抜け出せなくなるくらい、溺れればいいのに…。
なーんて、夢物語だよな。
でも、美亜。
いつかはって、思ってもいいかな?

