“これからイルカショーがはじまります…”
アナウンスが入る。
「やっとだぁ!」
隣で美亜が楽しみすぎて待ちきれない様子を思いっきり顔に出しながら笑っている。
周りの男子達が見てるから、そんな可愛いことすんなって…。
とかいいながら一番見てるのは俺だろうな。
「わぁ!出てきた~!」
イルカが出てくるとこの会場にいる誰よりも大きいんじゃないかと思われるくらい大声で喜んでいる。
お願いだからこれ以上目立つなよ…。
美亜が可愛すぎて俺はおかしくなるんじゃないかと思う。
「碧!碧!みてみて!イルカさんだよ!」
イルカにさん付けって…。
「そうだな。美亜、楽しいか?」
「うんっ!」
よかった。
俺とでも楽しんでくれていて。
俺もいつか早紀よりも美亜を楽しませられるようになりたい。

