「みーあ」


「…」


「おーい」




俺が美亜の顔を覗きこんで目があうと、恥ずかしそうに目を反らす美亜。

なんだよそれ。
やめろって…。

…可愛すぎるから。




「碧…」


「ん?」



俺に呼び掛けてくる美亜。 
いうかどうか迷ってるみたいだ。




「碧はさ、早紀ちゃんと付き合ってたじゃん?」


「あぁ」




美亜が転校してきてすぐに別れたけど美亜は同じクラスだったから知ってて無理はない。
けど、それがどうかしたのか?





「早紀ちゃんとも…こういうこと…した?」


「は?」


「いや、違うのっ。ごめんね、忘れて!…ただ、早紀ちゃんと碧が凄い仲いいから気になっちゃって…」





やっぱり美亜は目を会わせてくれないけど、今も顔が真っ赤なのが見なくても分かる。

それって…ヤキモチ?
早紀に妬いてんの?
やばい…嬉しすぎてどうにかなりそうだ…。





「それに…碧…慣れてそうだったし…。私は凄いドキドキしちゃったのに」




慣れてるわけないだろ。
こんなことしたの美亜が始めてなのに。





「私には関係ないの分かってるんだけどね!ごめんね!本当に忘れてっ!」


「いやだ」


「え?」


「そんなの忘れられっかよ」


「なんで…?」





美亜の瞳が不安げに揺れる。





「だって、それって…ヤキモチだろ?」


「え…ヤキモチ?」





美亜は気づいていないらしい。
俺の勘違いだったりしないよな…?