「うん。昨日、ちょっと早いけどって」
「ふ~ん」
早紀ちゃんが私の腕にあるブレスレットを見てニヤニヤしている。
なんだろう…?
「よかったね、碧。」
早紀ちゃんのボソッと言った言葉は私の耳には届かなかった。
「早紀ちゃん」
「ん?」
「私ね、碧の事好きになりたいの」
碧を好きになったら絶対楽しい。
幸せになれる。
碧は私の事考えてくれるし、私も碧の事をいつの間にか考えている。
それが何故か楽しいし、幸せ。
「そうね。あれだけ美亜のこと考えてくれる人、他にいないわよ。」
そう言ったきり、早紀ちゃんはなにか考え込んでしまった。
「美亜…」
「なぁに?」
「本当は言わないでって言われてたんだけど…」
なんだろう?
誰のはなしかな?
「今日、本当は碧部活なんてないの」
「え?」
碧の部活がない?
じゃあなんで私に嘘をついたの?
私と一緒にいたくなかった…?
「碧は美亜が碧の事好きじゃないことを痛いほど分かってるの」
「えっ??」
もちろん碧に言ったことはないし、態度に出した事もない。
「だから、今日は美亜と一緒にいない方がいいと思って部活なんて嘘ついたのよ。」
私と一緒にいない方がいい?
なんで?
私は一緒にいたかったのに。
「勿論、碧はあんたの一番近くで祝いたかったと思うわ。」
じゃあなんで一緒にいてくれないの…?

