「また私だけおいてけぼりにしてっ!」
むーっと頬を膨らませてちょっと起こってる雛乙ちゃん。
そいて、えいっと早紀ちゃんと私の間に入ってくる。
「雛乙!私と美亜の間に入るなんて100年早いわっ!」
「んなっ!10年くらいでしょ」
「10年は早いの!?」
こんなこと前にもあったな。
なんて思うけど、この時間が幸せなのは今も前も変わらないね。
この光景を遠目から玲音くんがどこか安心したように、またどこか私と雛乙ちゃんを恨めしそうに見てるのは秘密。
やっぱり二人と一緒にいると安心する。
「高田さん」
そんな私に声をかけてきたのは、
「心羽ちゃん」
心羽ちゃん。
穏やかだった私の心がどよどよ曇っていくのが分かる。