「俺は今でも高田のことが好きだよ」
混乱していた私に橋戸くんはもう一度言った。
ほんとうに…?
ずっと好きでいてくれたの??
「これから俺が言うことは許してくれなくていい。でも、言わせて」
「うん…」
私は静かに一つ頷く。
少し緊張した面持ちの橋戸くんをみてなんだか私も緊張してごくりと唾を飲んだ。
なんだろ…。
「あの時高田を見捨てて俺は逃げた。本当に情けないし、あの時の俺を殴ってやりたい。
でもそのあとすぐに、高田を助けるために戻ったんだ…。
だからと言って許されないし、言い訳だよな」
私を助けるために?
わざわざあんな怖い目に遭わせた張本人のもとに帰ってきたの…?
顔を伏せている橋戸くんの表情は私には見えない。
でも悲しい顔をしてるんだって分かる。
だって元々橋戸くんは優しい人だもんね。

