美亜は信じられないと言うように、目をキョロキョロさせている。


美亜を守ることが出来てよかった。

美亜を守れたのが俺でよかった。



でも、出来ることなら美亜にトラウマなんて感じさせたくなかった。

その橋戸とかいうやつにも会わせたくなかった。




なんて、俺が言える立場じゃないけどな。


俺が美亜をフッたけど、今でも美亜が大好きだ。

もう伝えられることはないかもしれないけど、俺はきっと一生美亜が好きだ。

美亜以外を好きになれる自信がない。




「……碧、二回も迷惑かけてしまって…ごめんなさい」




迷惑だなんて言うなよ。


俺が助けたかったから助けたんだ。





「美亜が無事でよかった」




俺にとっては美亜がいなければ美味しいご飯も、綺麗な夜景もなんだって意味ない。

美亜が無事で笑っていてくれればそれでいいのかもな。




「ありがとう!」




この笑顔を独り占めしたい。

だけどこの願いはもう一生叶わない。