【完】私の甘い彼氏様




と、その時



“ガンッ” 



という大きい音が背後から聞こえた。


なにごと!?

と思って振り返ったのがいけなかった。




「心羽っ!!」




まるで心羽ちゃん以外目にも入っていないように一直線に走っている。

人だかりができている方へ。

心羽ちゃんの方へ。


私が大好きな、碧が。



…こんなに必死になるくらいに心羽ちゃんの事が大切なんだね…。



そしてあっという間に人だかりの中に入っていく。




「桜田くんっ!?」


「え?どうしたの?」




回りの女の子達は私と碧を交互に見ながら混乱している。


知らなかったんだ。

私と碧が別れたこと。



でも私は今は周りの事なんて気にしていられなかった。