「枝岸さんが倒れちゃったっ!」
誰が発したかも分からないその声で心羽ちゃんが倒れた事を知る。
やっぱり碧の言う通り体育休めばよかったのに。
しかも今はあいにく体育の先生は一旦職員室に戻るとかなんとかでいないし。
いくら細くて小柄な心羽ちゃんでも女子が運ぶって言うのには無理がある。
「誰か先生呼んできてっ!」
その言葉に入り口近くにいた子が素早く走り出した。
「大丈夫かな…?」
「でも私たちに出来ることはないでしょ?」
こんなときでも冷静な判断が出来る早紀ちゃん。
そうだよね。
これ以上心羽ちゃんの周りに野次馬が増えても先生が到着したときに邪魔になっちゃうもんね。
私達はここから動かない方がいいのかも。
だけどやっぱりクラスメートだし、心配だな。

