「自由に男女ペア組んで代表でどっちかくじ引いてくださーい」
翔大が言ったと同時にみんなせかせか動き出す。
好きな人と一緒に回れる私って結構幸福者なんだね。
今は流石に抱き締められてはいないけど、手を繋いでくれてる碧を見ながらそう思った。
「碧」
「…」
「碧!」
「……」
「あーおっ!」
「うぉっ!」
やっと気付いた。
碧がボーッとするなんて、珍しい。
「どうかした?」
「……あのさ、美亜って「桜田っ!」
碧が話し出そうとしたのを遮る声。
この声は…
「どうした、枝岸」
心羽ちゃんだ。
ドクドク胸がうるさい。

