「美亜、辛かったら言えよ」
「ありがと」
碧の何気ない気遣いが自然にできるところ、本当にすごいと思う。
せっかく、早紀ちゃんと雛乙ちゃんがたててくれた作戦だけど、私もうダメだ…。
碧と一緒にいたい……。
「こっから険しくなるみたいだぞ」
「うわぁ、最悪」
翔大の言葉に雛乙ちゃんが顔を暗くする。
「美亜、手」
「えっ?」
碧が私の手を引く。
やっぱり、私は碧のこの手が好き。
「美亜はすぐ転ぶから」
「こっ!…転ばないよ!」
「前階段で落ちそうになってたくせに」
「あれは…」
「あれは?」
たまにちょっと意地悪になる碧。
そんなときに見せる笑顔。
ずるい…。

