顔の赤みが引いてからリビングに戻ると、会長はソファーで教科書を眺めていた。


私が来たことに気が付くと顔を上げて微笑んだ。



「帰ってくるの遅かったな。何かあった?」


「、、、関係ないです。」


「やだねぇ、冷たくて。」


「普通ですけど?!」


「それよりさぁ、澪。俺ら学校行かないで良いの?」


「名前で呼ばないで下さい!
学校ですか?、、、行っちゃダメですよ、会長は特に。」


「何で?」


「それは俺が説明しようかな?」


「お父さん!」


「お父さん?、、、初めまして、藤原千里といいます。」



会長と口喧嘩をしていると、スーツ姿のお父さんが入ってきた。


しかも会長は急にいつものような会長モードに入って挨拶なんかしちゃってる



「初めまして、澪と昴の父親の勇人です。よろしくね」


「よろしくお願いします。」


「それより澪。」



うちのお父さんはすっごく子どもを溺愛してくれる優しい父親。それはとてもとても嬉しいんだけどね?



「なっ、なに?」


「昨日、何があったかちゃんとお父さんにも分かるように話して貰えるかな?」



お父さん、とてもかっこいい笑顔を浮かべていますがね?目が笑っていないんです。



「昨日は少し事件があってね?
でも、会長が助けてくれたし、怪我もしてないよ?」



こう言ってる間にもお父さんは私にジリジリ詰め寄ってくる。