「ごめんね、急に驚いたよね。俺たち永井健治ってやつ探してるんだけど…君、知らない?」
赤茶の髪の男は私に聞いてきた
私は、健治という言葉に過剰に反応してしまった
一瞬だけ赤茶の髪の男の目が鋭くなった
「知ってるんだね?」
赤茶の髪の男は確信を持ったようにもう一回聞いてきた
黒髪の男は私から離れて私を見ている
その目を盗み見るとなんでも、話しちゃいそうな気がした
でも、なぜか私は咄嗟に言ってはダメだと思い
「そんな人、し、知りませんよ!」
少し噛みながら否定した
私は昔から嘘をつくのが下手でいつもバレてしまう
「本当に知らないの?」
赤茶の髪の男はまた、私に聞いてきた
「知りません!」
私は、今度こそ噛まずに言えた
