記憶の欠片



「橘さん、行こう!」




「あっ、うん!」




放課後、昼間に来た女の子が迎えに来てくれた。




「美音、なんかあったらすぐに電話しろよ!」





柊が心配そうな顔で言ってくる。




「俺でもいいよー」





「美音、かっこいい彼氏つれてきてね」






「おい!蓮!」




柊と蓮は鬼ごっこを始めた。




私はそんな3人を無視して、女の子たちを追いかけた。






「橘って、あの3人と仲いいよね」





「蓮は中学からの友達だし、日向は幼馴染みだし、柊は…」






「…あ、橘さん。記憶なくなっちゃったんだっけ?」





「うん、そうみたい」






「あんなに仲よかったのに」




少し重い沈黙が流れた。





「あっ!私のこと穂香って呼んで!」




「私のことは千夏で」





「穂香と千夏ね!よろしくね!」






「桐谷さんと仲良くなれるなんて思ってもなかったよ!」






「そんな、大袈裟だよ」





「橘さんって人気者なんだよ!」





「うそっ!てか、美音でいいよ!」





「わかった!」






「あのさ、合コンって誰がいるの?」





「隣の学校の子!かっこいい子、たくさんいるんだよ!」





そうニヤける千夏。





「何人?」





「うーんと、6人!」






「え!?でも、私たち3人じゃん」





「あとの3人は違う学校の子たちなんだー」





「へー、そうなんだ」





「あっ、ついた!ここだよ」





私は穂香と千夏に続いて、カラオケ屋に入って行った。