「ねぇ、美音って呼んでもいい?」


「…え?」


「あっ、ごめん。いきなりダメだったよね」


そう切なそうにする神崎くんに胸が痛んだ。


「……いいよ。私も柊って呼んでもいい?」


「本当に!?いいよ!」


すぐに満面の笑みになった、柊はすごく可愛くて素直な人だと思った。

私はなんでこんなに優しくて、イケメンで素直な人を忘れてしまったんだろう。

柊に申し訳なかった。


「…柊、忘れちゃってごめんね」


「なに言ってんの。そんなの、どってことないよ!」


…うそだ。
そんな泣きそうな顔しないで。


「必ず思い出すから」


「うん。待ってる」


絶対に柊を思い出す。

いきなり彼氏とかにはまだ考えられないけど、また柊と笑い合いたい。