記憶の欠片


「おはよー」




「美音、昨日大丈夫だった?」



体調が優れなくて午後から学校に行くと、日向が心配そうな顔で寄ってきた。



「まったく、美音は人に心配かけさせる名人だな」




蓮こんなときまで、すごい毒舌。

でも、心配してくれたんだよね。



「蓮、日向。心配してくれてありがとう」



「美音!」



柊は教室に入ってくるなり、私に抱きついてきた。



「柊?」




「よかったー」




そう言う、柊の声と腕が震えていた。



そんなに心配してくれたんだね。


ありがとうね。



私は柊の背中に手を回して、抱き締め返した。