記憶の欠片



「なんでわかったの?」



「やっぱりな、今は無理に思い出そうとするな」



輝はそう言うと、私のことをおんぶした。



「ひ、輝!?大丈夫だよ」



「いーから。じゃあ俺、美音のこと家に届けてくるから、お前も早く帰れよ」




優哉はすごく心配そうな顔をしてこっちを見ていた。


私は優哉に笑いかけて、輝の背中に顔を埋めた。



なんか、私って忘れてることが多すぎているみたい。



みんながどうして辛そうな顔をしてるのかがわからない。



ねぇ、思い出したいよ。



どんなに残酷な内容だったとしても、私は知りたい。