記憶の欠片




「んー…」



「美音、大丈夫か!?」



心配そうな優哉と輝。


そこはまだ倉庫のなかで、周りには人が倒れていた。



「優哉…、輝。顔、怪我してるよ?」



「俺らは大丈夫だよ」



輝はそう言うと笑って私の頭をなでた。


すると、私は優哉に抱きしめられた。



「美音、またこんな目に合わせてごめん」




また?


やっぱり前にもこんなことが、あったのかな?



「私は大丈夫。なんともないし」



私は立ち上がろうとしたら、目眩がして倒れそうになった。


それを輝が抱き止めてくれた。



「あ、ごめん」



「どーせ、覚えてないんだろ。前にこんなことがあったって」



輝が優哉には聞こえないような小声で話してきた。