「あっ!柊!」


しばらくすると、神崎柊くんが戻ってきた。


「…あの、神崎くん」

「橘さん。初めまして」


そう笑う神崎くんは痛々しくて、申し訳なくなった。


「…よ、よろしくお願いします」


その日から毎日のように神崎くんはお見舞いに来てくれた。


「橘さん。チョコ食べる?抹茶好きだったよね?」


「うん!抹茶好き!」


神崎くんは、はい。ってチョコをくれた。


神崎くんは優しくて面白くて、一緒にいて楽しかった。


私のことを何でも知ってくれている。


好きな食べ物も飲み物も。


一緒にいてすごく楽だった。