記憶の欠片


「お疲れさまでしたー」


「お疲れさまでしたー。美音送っていこうか?」


「ううん、大丈夫!」


「あぁ、柊がいるもんな」


「え?」


「いっつも迎えに来てもらってんじゃん!」



「あ、あぁ。そうだったね」



「それじゃあな!」


「バイバイ!」


大樹は手振って走って帰って行った。


私、バイト終わりに柊に迎えに来てもらってたの?







「美音…お疲れ」



裏口から出ると、そこに柊がいた。


「え、どうして?」


「夜遅いから迎えに来た」


そう笑う柊。


「なんでバイトだって知ってんの?」


「輝くんから聞いた」



そうだったんだ。


なんか今日は色々ありすぎて疲れた。


もう何も考えたくない。