記憶の欠片




──────────────



「ひーかーるー」


「またかよ?」


「涼介に浮気されたー」


「マジ!?柊なんかやめて俺にする?」


「優哉は黙ってろ!」


「輝、ひどい…」


輝に怒られて落ち込む優哉。

そんな優哉をほっといて、輝が口を開いた。


「で、どうしたんだ?」


「女の子とチューしてた」


「それは柊から?」


「…わかんない」


「まぁ、柊からのはずはないな」


「どうして分かるの!?」


「自分から女にキスしたやつが、走ってお前のこと探しにくるかよ」


光が指を差した先には、息を切らして汗だくになりながら、私を探している涼介がいた。


「…柊」


──────────────