記憶の欠片



「じゃあさ、輝。たとえばの話しするよ?」


「あぁ」


「恋人が記憶喪失になったらどうする?」


「なにそれ!ドラマみてー(笑)」


バカにしたように笑う輝。


そのドラマみたいなことが、私には起こってるの!

って言ってやりたかったけど、我慢した。


「それって、何もかも忘れてるってこと?」


「ううん、輝だけ」


「うわっ!それはキツい!」


だよね。

やっぱり柊も辛いよね。


「でも、俺は思い出してもらえるように頑張るよ」


「どうやって?」


「思い出の場所に行ったり、その場所で前にも言ったことのある言葉を言ったり」


「………」


私が顔をしたに下げて考えていると光に頭を撫でられた。


「大丈夫。気にすんな。柊はそんな柔なやつじゃない」


「えっ!?」


「どーせ、前の事故で柊だけの記憶なくなったんだろ?」


「どうして、わかったの!?」


「美音はいっつも柊のことで悩むとここにくるから。それに、前に柊と来たときなんかぎちなかったし」


「てか、事故のこと知ってたの?」


「優哉から聞いた」


「え?」


優哉のほうを見ると優哉が申し訳なさそうな顔をしていた。