記憶の欠片


「あれ?美音?」



声がしたほうを見ると、日向がいた。


「こんなところで何してんの?」


「……日向」


私は日向に抱きついた。

今は誰かに甘えてないと、自分が自分じゃなくなりそうで怖かった。


「美音、公園で話そっか」


「うん」


私は自分を守るために必死だった。

だから、私を追いかけてきてくれた柊に見られてるなんて思いもしなかった。