記憶の欠片



「お前は、相変わらず生意気だな!」


「やめろよー!」


じゃれあう2人を見ても、私はうまく笑えなかった。


横から見た柊の顔は辛そうだったから。


うまく笑えてなかったから。

それから席に座って、飲み物を頼んだ。


「…あ、さっきは勝手なこと言ってごめん」


「ううん、平気。って、柊は平気じゃないよね」


「俺は大丈夫!いつでも待ってるって言ったろ?」


柊…。
嘘だよね?


また泣きそうな顔してる。


私は最低だ。


こんなに優しくて、私を想ってくれてる人を傷つけてる。


「ごめん、今日はもう帰るね!」


私は柊をおいてカフェからでた。

これ以上、柊といたらダメだと思った。

私といると柊は傷つく。




柊…、ごめんね。