優しい白衣の彼



「ちょっと、保健室に行ってくるね」



「私もつきそうよ」 



「いや、果南はここに居て」


せっかくクラスの皆で楽しんでるのに保健室に付き合わせるのは…

それに発作が起きそうだし…



校庭にいる皆と別れて校舎に入った。




フラフラしながら保健室に向かっていると


「琴ちゃん」


後ろから聞き覚えのある声がして振り返ると、お兄ちゃんと蒼生先生が…


「蒼生先生っ…ゴホゴホッヒューどうし…ヒューて居るの?」



「あとで話すから。吸入器ある?」



「ん…ゴホゴホッヒュー、ゴホッ」

吸入器をポケットから出して蒼生先生に渡した。


「吸って」


言われたとおり、吸入するけど



「ゴホッ、ゲホッヒューヒュー」 

あれ?全然治まんない?

さすがに全力疾走はまずかったかな…



「病院に運ぶから、それまで意識保って」


蒼生先生、無理っぽい…

徐々に意識が遠のいていった。