優しい白衣の彼

 
絢ちゃんと少し話してから、自分のベッドに戻った。 

  
「ゴホゴホッ…」

あんまり咳したくないな…

周りが静かだと咳が響くから五月蠅くないかな?



少し外行こう…


「琴ちゃん、何処か行くの?」



「うん、ちょっと自販機に」



「そっか、遅くならないようにね」 
 


「うん」



点滴スタンドを押しながら、廊下に出て知り合いが居ないことを確認して

エレベーターに乗った。


ボタンを押して一階で降りた。



病棟を離れて、外来のほうに歩いて行くと静かで誰もいなかった。


受付の方は閉まっていて、カフェももう閉まっていた。


「ゴホッ…」


自販機でお茶を買って、外来の待合室の椅子に座った。


静かだな…

薄暗いし、不気味。