また抱っこされて診察室に連れて行かれた。
「えっ、颯汰?」
この声は、蒼生先生かな…
視界が歪んでてよく分かんないけど
「琴ベッドに寝かせていいか?」
「あぁ」
ベッドの上に横にさせられた。
帰りたい…
「琴ちゃん話せる?」
「ん…ケホケホッ」
頭痛い…
吐きそう…
視界が歪む…
「具合悪いとこいえる?」
「頭…吐きそう…ゴホゴホッ」
「頭痛と、吐き気か…診察させてね」
「嫌ケホッだ…」
いつもなら抵抗して抑えられるけど、今日は抑えられずに勝手に診察されていく。
気持ち悪すぎて動くのもキツいよ…
「もう一回熱測ろうか」
さっき測ったじゃん…
どうやって、このあとの検査逃げよう…
ボーッとする意識の中で、脱走することを考えてた。