「だってあれが兄とか、ちょっと言いづらいし。でも普段は男の格好もするんだよ」



「とっても綺麗な人だし、自慢のお兄さんだとおもうよ。楓さんの男姿は見てみたいけど」



「むぅー、兄貴の男姿は見ちゃダメ」

頬を膨らませて少し拗ねてる響紀。

やっぱり子供っぽい所ある。



「えーなんで?」



「見たら惚れちゃうかもしれない…」



「かっこいいの?」



「……うん」



「馬鹿だなぁ響紀」

私が好きなのは響紀だけだし、そんなにイケメンが好きってわけでもない。


それに楓さんは確かに綺麗だし、素敵な人だとは思うけど
なにか違うんだよね。


「ねぇ響紀―…っ!?えっ!?」

病室の隅に背を丸めて膝を抱えている響紀…

えっ!?何で?


響紀の側に駆け寄ってしゃがむ。

「どうしたの!?」



「自信なくて…琴ちゃんからキスでもしてくれれば自信付きそうなんだけどなぁ」