優しい白衣の彼

「えー、それじゃあ琴ちゃん置いてってよ」



「駄目。琴ちゃん行こうか」

ギュッと右手を掴まれて、楓さんから離れていく。

私今、絶対顔が茹で蛸状態だよ…



病室に着くと、響紀の手が離れた。


「ごめんねビックリしたでしょ」



「う…うん」

ビックリしすぎて、よくわかんない。

楓さんってまず男の人で、響紀のお兄ちゃんで…



「あんな格好してるけどちゃんと医者なんだよ。今日は用事があってこっちに来たらしいんだけど…」



「あの…楓さんって、男?それとも女?」



「れっきとした男だよ。女装は趣味みたいな感じかな…」



「わぁ…そうだったんだ。凄く綺麗な人だったし、女の人にしか見えなかった」



「僕にはアホ兄にしか見えないよ…会う度キスしてくるし」

白衣からハンカチを出して、顔を拭く響紀。

そんなに嫌??

ぁ―…でも嫌かも。



「琴ちゃんにはまだ会わせたくなかったんだけどな…」



「何で?」