優しい白衣の彼

髪の毛を直していると、ドアがノックされて響紀がやってきた。

「琴ちゃん目覚ましたんだね」



「響紀……ごめんなさい」



「いいんだよ。さすがに今回は焦ったけど。本当に琴ちゃんは脱走するの得意だね…」

ちょっと困り顔の響紀。

さすがにもう脱走するのはやめよう…

「得意って程でもないよ。この紙にね皆の大体の1日の行動パターンをデータ化した…あっ…」


これ秘密だった…

長年の入院歴からだしたデータは、お医者さん達には秘密にしていたんだった…



ポケットから出した紙を咄嗟に布団に隠すけど―…

「琴ちゃん、それ頂戴?」

蒼生先生の目が…


「いやっ…あのこれは……」

響紀の方を見ると、響紀の目も…


「琴ちゃんそれ見せて」



「いやだから…これはそのー…」



「琴ちゃん頂戴」

蒼生先生怖いし、響紀も怖い。

布団から出して、蒼生先生に渡した。


ある程度は記憶しているからあんまり使ってないけど、これあった方が便利なのに…


「どうりで……誰にも見つからずに逃げ出せているわけだ」