次に目が覚めると、見覚えのある白い天井。
まわりはカーテンで見えない。
そして口には酸素マスク、左の甲には点滴。
時計を見ると夜中の二時。
寝ていると苦しいから、ひとまず起き上がる。
少しボーッとカーテンを眺めて、ふいに点滴の針を抜いた。
また少しボーッとカーテンを見る。
琴ちゃんは先生と一緒にお部屋の中で遊ぼうね~。
絶対に走っちゃダメだよ。
少し我慢ね。
あの子いつも体育休んでるよね。
サボりでしょ?
病気とか嘘でしょ。運動音痴過ぎるからサボってんじゃないの~。
嫌な記憶が蘇る。
普段は気にしないのに、こういうとき不意に思い出す。
私だって、こんな体じゃなかったら…
フラフラと重たい足を引きずりながら病室を出て、屋上に向かう。