優しい白衣の彼

「うっ…」



「ほら診察室行くよー」



「はーい…」

背中を押されて、診察室に戻った。


さっきの人響紀と何か話していたけど、一体誰なんだろう。

患者さん?にしては元気そうだったし。


医療関係者なのかな?

でも見た感じ知り合いっぽかったし。


うーん…


「琴ちゃーん、もう1回だけ聴診していい?」



「うん」



「琴ちゃん点滴してもいい?」



「うん―……えっ?」



「よし!!じゃあベッドに横になってね~」



「今日点滴しないんじゃなかったの!?」



「誰もやらないなんて言ってないよ。ほらベッドに横になって」



「あっ、用事思い出したんで急いで帰らないと」

回れ右して診察室のドアを開けると


「琴ちゃん久しぶり~」