優しい白衣の彼

「はーい」

今日は早く帰れる~!!

診察室の方に向かって歩いていると、見覚えのある姿が。


あれは響紀かな?

少し話せないかな?



診察室とは違う方向に進んでいくけど少しくらいいいかな。

ちょっとだけ会って…



曲がり角を曲がったところで、響紀は誰かと話していた。

誰だろ?

患者さんかな?


普通の私服だし。

それにしても綺麗な女の人だなぁ。

響紀とお似合いだ…



ズキッ

私も響紀に見合うような人にならないと……

「琴ちゃーん」



「わっ!?」

後ろから声が聞こえて振り返れば安定の蒼生先生。



「また逃げ出そうとしてたの?」



「違うよ!!………ちょっと道に迷っただけ」

蒼生先生から目をそらして、誤魔化してみる。


「琴ちゃんが迷子になるわけないでしょ。ここの病院に10年以上通ってるのに」