優しい白衣の彼

「やっぱり発作起きちゃった?」

頷きつつ椅子に座った。



「今も苦しい?」



「苦しくない」



「熱は―…ないね」



カルテを見ながら軽い問診をされて、いよいよ聴診―…。

ドクドク鳴っていた心臓がバクバクに変わる。




今日はきっと痛いこと無いし大丈夫…




「聴診するからブレザー脱いで、カーディガンのボタン外して」


ゆっくりブレザーを脱いで、カーディガンのボタンを外していく。

緊張のしすぎで手が震えてボタンが上手く外れない。


「ボタン外せてないよ」

蒼生先生が苦笑いをしながらも、はずし終わるのを待ってくれた。


「吉川さんYシャツのボタン上3つ外して貰える?」



「はい、琴ちゃんちょっとごめんね」


――――……


「琴ちゃん、今日は珍しく大人しかったね」



「んー、そうかな?」