「うん、そういえば先生彼女出来た?」



「唐突だね」



「うん。で、彼女出来た?」



「まだ出来ないんだよねー…仕事が恋人になってる」



「先生忙しそうだもんね」



「そうなんだよー…俺、医者だと若い方だから雑用とかも押しつけられてさ~」

お医者さんって只でさえ忙しそうなのに、雑務までやらされるんだ…

響紀も同じなのかな?


「大変なんだねゴホッ」



「まぁやりがいのある仕事だと思ってるよ」

蒼生先生の車に着くと、助手席のドアを開けてくれて車に乗った。


「ケホッ……ケホケホッ」

あれ、咳…出てきてる?

隣には蒼生先生がいるから、咳我慢しよう。


「琴ちゃん、大丈夫?」

バレてる?

隣にいたらバレるか…


「むせちゃって…」

運転している蒼生先生にちょっと嘘をついてみる。


「苦しくない?」



「だから、むせたんだよ」



「いやバレバレだから」

赤信号で車が止まると、右手首を掴まれて脈を測られた。