吸入ならやってもいいかな…

「吸入だけならやる」



「とりあえず吸入しに行こうか。響紀に付き添って貰う?」

蒼生先生よりは、響紀の方がいいな。

頷くと

「今まで俺がついて行ってたのにな~。響紀の方がいいのか~。なんか哀しいな」

蒼生先生が面倒くさい。


「吸入してきますね」

響紀が私の手を引いて、診察室を出た。






吸入が終わって診察室に戻ると

「点滴しに行こっか」

蒼生先生がニコニコしながら待ち構えていた。





「今日は琴ちゃんで最後だし、時間はたっぷりあるよ」

診察室のドアを開けようとすると、また響紀に腕を掴まれて逃げられなくなった。



「なんならここで点滴する?いいよ」



「点滴しないで帰る」



「よし、ここでやろうか。点滴するからまたブレザーと、カーディガン脱いでくれる?」



「嫌だ……っ!?」

体が浮いたと思ったら、響紀が私の体を持ち上げてそのままベッドに座らされた。


「点滴しなくていいっ」



「ブレザーと、カーディガン脱すよ」