コーヒーを渡すと

「バイト終わったら、一緒に蒼生先生のとこ行こうね」

嫌な言葉が聞こえた気が……


「もしかしてもう忘れてる?」



「忘れてはない……けど…」

響紀が来るなんて…

仕事忙しくて絶対来ないと思ったのに。


このままバイト終わったら速攻で帰る予定だったのに!!

「バイト終わるの待ってるから、逃げちゃダメだよ?」

ニコッと笑って、レジの近くにある席に座った。

 
蒼生先生より手強い…


バイトが終わって、私服に着替えて出てくると

「じゃあ行こっか」

左手を握られて、診察室のある方に歩き始めた。


行きたくないぃぃぃ…

嫌だぁ…

怒られる…


「響紀!!」



「何?どうしたの?」



「先にお手洗行ってもいい?」



「いいよ」