車が動き始めた。
えっ!?今頬にだったけど、キスされた!?
酔っ払っていない響紀にキスされるの、もしかして始めて!?
「琴ちゃんって、プラネタリウム好きなの?」
「えっ!うん好きだよ。星を見るのが好きなんだ」
ドキドキしているときに話し掛けられると
さらにドキドキしちゃう。
落ち着かないと…たかがほっぺにキスくらいで……
挨拶みたいなもんだよ…
……そうだよ!挨拶だ!そう思おう!!
「僕も星見るの好きだよ。小学校の頃の夢は宇宙飛行士だったしね」
「響紀なら宇宙飛行士にもなれそう」
「そうかな?でも親も身内もほとんどが医者で、生まれたときから医者になるよう言われてきたから
皆には将来の夢は医者になるって言ってきたんだ」
「じゃあ響紀の本当の将来の夢を知っている人って私だけ?」
「うん。兄にすら話したことないから」
「響紀も兄弟いるんだね」
知らなかった。
下に妹とか弟とかいそうだけど、お兄さんがいるんだ。

