優しい白衣の彼



私とお兄ちゃんが少し歩き始めると


「娘がいつもすみません。これからも宜しくお願いします」


後ろの方で蒼生先生とお父さんが話している。



「車入り口の近くにとめてあるから先に乗っていよう」



「うん」


病院を出て駐車場に行くとお父さんの車で来たと思ったのに、お兄ちゃんの車だった。


「お兄ちゃんの車で来たの?」



「そうだよ」


車の後部座席に座ってしばらくお兄ちゃんと話していると

車のドアが開いて、お父さんがやって来た。


「荷物は後部座席にのせていいか?」



「うん」


私の隣に荷物を置いて貰って、お父さんは助手席に座った。



「食料品買って帰るけど、琴何か食べたいものある?」



「うーん…特にない」



「分かった、スーパー着いたら一緒に行く?」



「車で寝て待ってる」



「了解」


車に揺られていたら、眠くなってきた。