優しい白衣の彼


「ダメ?」



「いや、ダメじゃないです!…えっと、ダメじゃない」



「ありがとう、あともう1つだけいい?」



「ん?」



「先生呼びじゃなくて、名前で呼んでほしいな」

私が果南と話してた事だ。

でも名前って…なんて呼べばいいんだろ?


「響紀…先生?」



「まぁ、病院でだったらいいけど、先生よびかぁ…」



「響紀…」

小さい声で言ってみた。

聞こえたかな?


「また顔赤くなってるよ」



「言わないで!」

恥ずかしい…多分聞こえてたんだと思う。

ニヤニヤしてるもん。



恥ずかしくて俯くと、


「そろそろ勉強終わりにしたら?」

響紀先生の手がおでこに触れた。