コンコン

「琴ちゃんおはようって、えっ?」


佳純ちゃんが入ってきてびっくりしている。

まぁ、医者がここで寝てたら誰でも驚くと思う。


「お兄ちゃんだよ。気にしないで」



「あぁ、山崎先生ね。よっぽど疲れが溜まっているんだね」



「目の下の隈が凄かったから、多分全然寝てないんだと思う」




「山崎先生はオペが早くて上手いから頼まれる仕事も多いんだって」



「へぇ~、意外だなぁ」



「1ヶ月間しかいないから、予約が殺到しているって。外科の子が言ってたよ」



「お兄ちゃんってそんなに凄いんだ…」


知らなかった…。

てか仕事の時と家の時って全然違うし、外科の方は行ったことがないからお兄ちゃんの仕事を見たことがない。


「ん~、琴~」



「…はぁ」


寝ぼけているお兄ちゃんが起き上がってお腹のあたりに抱きついてきた。

むしろさっきより体勢キツそうなんだけど…