陽太君達と話している間に小児科の看護師さんがきて陽太君を連れて帰った。

帰り際に陽太君達が手を振ってくれて、私も振りかえした。


可愛いな…。

癒しだ…。


「琴ちゃん車椅子に乗ろっか」



「あっ、はい」

そういえば蒼生先生と約束してたんだった。

すっかり忘れてた。



「琴ちゃんありがとう」



「?」



「陽太君達よく病室抜け出してここで遊んでいるんだけど、本当は走ったりしちゃいけない体なんだよ。

だけど看護師さんや、僕たち医者が何回言ってもこっそり遊んでて」



「気持ち分かるんで」



「そうだね。琴ちゃんもよく抜け出しているしね」



「それは言わないでください!」



「ごめんごめん。でも助かったよ、ありがとう」



「お役に立てたならよかったです」