その表情を見て、俺は、ある提案をしてみた。


「ねぇ、命。
今の仕事辞めたら、此処でウエイターとして、働いてみない」


「おい、愛与。
何いってんだよ、どういうつもりだ」


「だって、一人でいる寂しさは知ってるから」



春毘はこの言葉に弱い。



「愛与、それは俺からしたら、願ったり叶ったりだが、本当に良いのか?」


「うん。
それに、今住んでる家も二人だととても広いし、瑠佳君と一緒に来てもらっても構わない」



その言葉には、流石に春毘は。



「おい、愛与」


「そうすれば、三人で見られるし、瑠佳君もきっと寂しくない。
瑠佳君と居られる時間も増える」


「待て、俺は、こんな奴と一緒になんて住みたくねぇ。
お前を振った相手だぞ、いくらお人よりとはいえ、やりすぎだ」


「情けは人の為ならず
春毘、だめかな?」



春毘は、少し怒った顔をしていたけど、
大きくため息をついた。



「……二つだ、二つ条件がある」



「二つ……」



「一つは、瑠佳の飯は俺に作らせろ。
良いもん作ってやる」



春毘は、素直じゃないけど、瑠佳君のことは、気に入ってるみたい。



「もう一つは、煙草を止めろ。
一応、接客業でレストランだからな。
それに、瑠佳は、喘息持ってるんだろ、
子供のためにもやめろ」


「あぁ、分かった」



命は、少し涙ぐんでいた。
声も少し震えていた。



「あとは、瑠佳に話すだけだ。
起きたら、ゆっくり話すよ」


「焦らなくても、俺らは、待ってるから、
ゆっくり瑠佳君と話して、決めてきて」


「あぁ、ありがとう」



そのあと、
命は、瑠佳君をおんぶして帰っていった。