そこで、働いているのが、俺。


猫宮 愛与 (ネコミヤ アイト) 29歳



こんなところに人が来るのかと聞かれるが
色んな人が来てくれる。


元々、じいちゃんがやっていた店を四年前
俺が継いだ。

だから、じいちゃんを知ってくれている
昔からの常連さん、その家族から友達へと口コミが広がり

今は、それなりにやっている。



「愛与、そろそろ開店だぞ」



それにもう一人


レストラン『NEKOMIYA 』のシェフ


花房 春毘 (ハナブサ ハルヒ) 29歳



小学生の時からずっと一緒


高校卒業して、

春毘は、調理の専門学校に通いながら、
俺は、大学に進学をして、
レストランを手伝っていた。


先に調理の学校を卒業した春毘は、
本格的にレストランで働くようになった。


俺も大学を卒業してから、
ここで、ウエイターとして働き始めた。


本当に色んなことがあって、


無条件で一生懸命支えてくれる春毘に惹かれていった。


それから、まもなくして、
俺が大学卒業し、付き合うことになって、


かれこれ、七年目になる。



「なんだよ、人の顔じろじろと」


「ぅん、春毘は相変わらず格好いいなぁと思ってさ」



本当に毎日、そう思ってしまう。


身長高いし、顔も格好いい。

何気に立ち仕事に力仕事だから、
本当に羨ましいほど良い筋肉してる。

声も低めだけど、聞き取りやすい。

料理は、お客さんからの評判も良い。


まぁ、言葉は乱暴なところあるけど、
基本、優しいからモテない方がおかしい。



「愛与、こっちにこい」



春毘に言われて、近づいていくと――



「何、春毘?」


春毘に、頭の後ろに手が添えられると直ぐに引き寄せられ、春毘とキスをした。

そのあと、手は添えられたまま



「あんまり可愛いこと言うな。
襲いたくなる」



俺の顔は、みるみるうちに熱くなった。

春毘から、少し離れた。



「なんで、そういうこと言うの!
これから、開店なのに!
お客さんに何か言われたらどうするの!」


「愛与が悪いんだろ。
毎日、俺を何回、骨抜きにする気だ」



昔から、さらっと恥ずかしい台詞言う

だから、大好きになってしまった。



その次の日も、そのまた次の日も
いつもどうりの一日になるはずだった。