次の日の朝


大きな物音で目を覚ました。


そこには、
殴られ壁際に座り込んでいる命と
殴った拳を痛そうにしている春毘の姿があった。



「痛てぇ、朝から何だよ」


「うるせぇ、お前は黙ってろ」



春毘は、声を荒げ、怒った。



「春毘、落ち着いて」



見たことない、鋭き目付きでこっちを睨み付けてきた。



「愛与、こんなの浮気だろ!
お前と付き合ってるのは、俺だろ!」



怒りの中に悲しみが見えた。

怒った顔をしていても、目にはうっすらと涙が溜まっていた。



そう言うと、春毘は、部屋を出ていってしまった。


春毘を大きく深く傷つけた。



「いってぇ、あいつはベットから引きずり下ろしたと思ったら、殴りやがって」


「大丈夫?」


「まぁ、それなりに。
接客業なのに顔に傷なんてあったら、心配されるだろ」



命は、全く気にしていないよね……。


先ずは、謝らないと駄目かな。




 そのあと、先ずは話し合おうと思って、
春毘に話しかけようとしても、全く取り合ってくれなかった。


でも、俺が春毘を傷つけたから仕方がない。





それから、一週間。



俺と春毘は仕事以外で二人きりで話すことは無くなってしまった。


春毘は意地になってるようだった。

でも、命は、普段通りだ。