「なぁ、やっぱり花火はいいな。」これは今年、石和で行われた花火大会の話です。駅で浴衣姿で私はある人を待っていた。少し待ったところで待ち合わせ場所に私の名前を呼びながら小走りで向かう人が居た。今日の花火大会はこの人と行くのです。駅で電車に乗り、石和駅で降りた、そこには花火大会を見ようと多くの人が居ていつもは静かな駅も賑わっていた。いつもの駅が花火大会で元気になっているのか。そう思いながら、花火の会場へと向かって私達は歩いた。歩いてる最中も下駄のコトコトと言う音や屋台の人の声、子供の声。全てが花火大会がもたらす、夏。そう思いながら会場の近くまで歩いていたが、ここに来るまで、良い夏を味わっていたのに全てが崩れた。明らかに人の数が多すぎる。狭い道幅に人が密集している。その混雑に入った瞬間今まで心地よく聞こえてた、効果音全てが雑音に聞こえてしまった。早く抜け出したい。そのことしか頭に無かった。まぁ今落ち着いて考えれば、その混雑は花火大会に行こうとしてた人達が作った。結局その混雑も花火大会がもたらす一つの夏かも知れない。私達は花火大会の会場に着きやっと一息ついた。花火大会の開始時間になったと同時に花火が打ち上げられ、多くの人が歓声を上げた。さっきまでスマホをいじってた人もお喋りがうるさかった人達も、皆が花火に夢中だ。すごい。一発目からこんなにも人を魅了する花火。皆は花火に釘付けとなり夏の夜空を眺める。そこには色々な形で夏をもたらす花が大きく咲いていた。思わず一緒に居た人の手を握り、「なぁ、やっぱり花火はいいな。」とつぶやいてしまった。