「第2章 思い出巡り」
その日笑美は俺を色んな所へ連れてった。そこには新しい記憶が待っていた。初めて2人で遊んだ時に行った駅。笑美は俺を案内しながら思い出話をした。
「ねぇ、天斗君覚えてる、ここでドーナツ買ったこと。それでさ、私がクリームとハニードーナツで天斗君はカスタードとイチゴドーナツ買ったよね。」
笑美にそう言われて、二年七ヶ月前にまだ付き合いたての初々しい俺らがドーナツを選んでいる風景が思い浮かぶ。確かに俺らはあの日一緒にドーナツを選んで一緒に食べた。でも、どうしても頭から離れないことがあった…その日に笑美と会ったのは俺じゃない。そのことで悩んでた俺に笑美は優しく言った。
「天斗君、私は天斗君が好き、だからいくら天斗君が変わっても、天斗君は天斗君だと私は思う。だから、天斗君はもう悩まないで、私がずっとそばにいるから。」
また笑美に支えられた…今度は俺が支えないと。俺らは次の思い出巡りに行った。