~紗遊side~
あれから智哉くんのおかげで、私たちは気持ちを知る事ができたし、いっそう仲良くなった。
そして、今日は待ちに待った、祐太の試合の日・・。

「いってくる。」

祐太の家から声が聞こえたから急いで窓をあけた。

「祐太ぁ、頑張ってねー!!」
「・・・・ッ」

無視!?でもなんか照れてない!?
可愛い!!
さて、私も準備しなくちゃッ。

「いってきまーす」

私は駆け足で球場へと向かった。
球場にはたくさんの人がいて、迷ったけど、ようやく観客席まで来れた。

「祐太、どこかなー?・・・あッ祐太だ!!」

早速祐太を見つけた。
祐太は智哉くんと投球練習をしていた。

しばらくして・・・
「これより、南浦中対東浦中の試合を始めます。」
「気をつけー、お願いしまーす!!」

試合が始まった、私たちの中学は南浦中。もちろん、ピッチャーは祐太でキャッチャーは智哉くん。

「プレイボール!!」

審判の合図とともに野球少年たちの夏が始まる。

祐太はストレートしか投げない、っと言うよりストレートを極めたジャイロボールと言うのを投げる。
私は野球まだルール知らないけど、とにかく早いんだ!!


そして9回裏、南浦中最後の攻撃。得点板を見ると・・
「9-15!?」
そう・・南浦中は反撃できないくらい点を取られていた・・。
祐太のジャイロも相手バッターは平気で、普通に打ってる・・。

そして、結果は10-15。
南浦中の野球少年の夏は終わった・・。

観客席から見る祐太の姿はとても悲しそうに立っていた。
だって、3年生の先輩たちはこれが最後の試合だもんね・・。
責任感感じるよ・・ね・・。